青春18きっぷ旅、4日目の朝。途中下車しながら帰路につく。
湯田温泉で下車した。
で、でかいっ!
白狐のゆう太が出迎えてくれた。高さ8メートル。湯田温泉旅館協同組合のマスコットキャラクターなのだとか。
その昔、毎夜、傷ついた白狐が寺の小さな池に足をつけていて、その様子を見ていた和尚が池の水をすくってみると温かかったという伝説がある。
さて、なんとなく降りてみたがどうしよう。湯田温泉駅から徒歩13分程の所に湯田温泉観光案内所があるようなので取り合えずそこへ行ってみよう。
途中、井上公園の前を通ると園内に足湯があり、小学生くらいの子供が5人、蛇口を囲んでいた。近寄ってみると蛇口から出てくるお湯に手をかざしては「アチッ」と言っていた。おばちんも手をかざして同じように「アチッ」と言った。
「ここ、本当は足湯なんですよ。」
子供たちの中でもしっかり者の綺麗な女の子が教えてくれた。
おばちん:足湯に浸からないの?
女の子:だって、ほら、まだお湯が少ないから浸かれないんです。夜はお湯を止めていて、ついさっきお湯が出たばかりなので10時くらいにならないと無理なんです。
おばちん:あっ、本当だ。
お湯はまだ5㎝くらいしか溜まっていなかった。
「あなたは足湯係の人でしょう?」
今度は子供たちの中で一番小さい男の子が話しかけてきた。とてもか細い声で。
おばちん:違うよ。私は旅人だよ。
男の子:そうなの?だって凄く似てたから......。
まつげがとっても長く、パッチリおめめの可愛い男の子に見上げられて、タジタジのおばちんです。とても上品な男の子だったな。あんな小さい子に「あなた」と言われたのは初めてだ。
おばさんに「おばさん」と言っちゃダメよ。「お姉さん」もわざとらしいから「あなた」と呼ぶのが無難ね。
ご両親にそう教育されているのかもしれない。なんて、公園を後にしながら妄想してニヤニヤしてしまった。
湯田温泉観光案内所へ到着。
湯田温泉散策マップと外来湯案内を貰った。レンタサイクルもここで借りられるが、おばちんは歩いて散策し、最後に温泉に浸かることにした。
湯田温泉街は足湯が点在しているようだし、足湯めぐりをするとしよう。
観光案内所の前にも足湯があったので早速浸かる。この足湯MAPの奥が足湯。朝から地元の方で賑わっていた。
隣には飲泉場。
かなり熱いので、手で飲むことは出来ない。ペットボトルの蓋でチビチビ飲んだ。
神社の前を通りかかったので、初詣。
階段に怖気ついてしまったけど、ご年配の女性がスイスイと上っていったので、おばちんも頑張って上った。
熊野神社。
ヨロヨロしながら参拝し、境内のベンチに座ってパンとみかんを食べた。
道に迷いながらやっとたどり着いた足湯は満員でやはり地元の方で賑わっていた。湯田温泉の足湯は地元の方に愛されてるんだなぁ。近所に足湯があるなんて、ちょっと羨ましい。
どこも込み合っていた足湯だけど、ここだけは誰もいなかった。お昼時だからかな?
1人で浸かっていたら地元のおじさまがやってきた。足湯に浸かりながら暫しおじさまとトーク。
帰りのルートを伝えると、
時間があれば姫路城は絶対観るべき。あとは京都の桂離宮。あっ、でも今は予約しないとダメだったかな?参観は有料で、たしか1,000円。だけど1,000円払う価値はあるよ!
あっ、そうそう、この近くの松田屋ホテルの庭園も美しいよ。庭を観たいと言ったら観せてくれるんじゃないかなぁ?
と、色々教えてくれた。おじさまの武勇伝と共に。
松田屋ホテル、実はこの足湯に浸かる前に建物が素晴らしかったので撮影したんだよね。
そして尋ねた。
おばちん:先ほど近くの足湯に浸かっておりましたら、地元の方からこちらの庭園が素晴らしいと伺いまして、是非庭だけでも観せて頂けないでしょうか?
スタッフ:いいですよ。どうぞ。
たしかに素晴らしい庭園だった。
素敵なホテル、いつか泊まってみたいなぁ。
さて、そろそろ温泉に浸かりますか。
観光案内所で頂いた案内を見ると外来湯の施設は10件。
最初に目に留まったのは390円の公衆浴場 亀乃湯。だけど今回は奮発して西の雅 常盤にしてみた。広い湯舟にゆっくり浸かりたかったから。
通常は800円なんだけど、年末年始は1,000円。
総合エンターテイメント旅館、女将劇場。なにやら怪しい雰囲気......。
女将劇場は毎晩20:45から、60分無料で開催しているようだ。残念だがおばちんは観ることができない。
お昼時だったからか温泉は空いていて、貸切状態もちょっとだけ味わうことができて大満足。1,000円出した甲斐があった。
女性は露天風呂2つ(竹林露天わかたけ、山頭火の湯)、大浴場1つ(美人の湯 楊貴妃風呂)。
男性は露天風呂1つ(維新黎明の湯)、大浴場2つ(のんたの湯、大内の御湯)。
朝、男女が入れ替わるので宿泊すれば6つの湯に浸かることが可能だ。ちなみに日によって男女が入れ替わることはないので、6つの湯を制覇するにはやはり宿泊しなければならない。
駅まで歩く。冬の柔らかい陽射しと冷たい風が温泉で温められた身体に心地よい。周りの景色がキラキラ輝いて見えた。本当に、本当に心地よくて、今でもあの時の感覚を思い出しては泣きそうになる。
湯田温泉駅に到着。電車の時間までこの看板の奥のベンチでパンを頬張る。ベンチの前にはやはり足湯があって地元の方がどんどんやってきた。
満員だったけど身体が冷えてきたので最後に少しだけ足湯に浸からせて頂き、地元の方とちょっとだけトークして、湯田温泉を後にした。
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