1年半前、おばちゃんは人生初の肉体労働をした。日雇いの肉体労働だ。
3年間ぼぉ～っと暮らしたら貯金が底をついてしまったのだ。
仕事を辞めた翌年の税金と国保料が合わせて月5万ほどだったから、その1年間の出費がデカかった。
あー、そろそろ働かなくては......。
しかし、派遣でまた事務をするのもなんだか気が乗らない。取り敢えず日銭を稼ぎながらこの先のことを考えようと思った。とにかく働かなくちゃ飢え死にだ！部屋も追い出されちゃうし！
前年無収入だったから税金はゼロ。国保料だって月2,000円以下だ。月収10万もあればなんとか暮らしていける。なので日雇いの派遣会社に登録し週2～5で働いた。まぁ、厳密には日々紹介という働き方で就業先が雇用主となるのだが。おばちゃんは法律上、日雇い労働は出来ないのだ。
日雇い労働が出来る人は下記いずれかに該当する人。
60歳以上の人
雇用保険の適用を受けない学生
生業収入が500万円以上
主たる生計者でない人で世帯収入が500万以上の場合
おばちゃんは勿論該当なし。切羽詰まった独り身の貧乏人は働けないが、お金持ちは働けるぞっ！
日々紹介で働き始めたおばちゃんだったが、初日は立ち仕事に慣れていないせいもあり、足が痛くなって一週間寝たきり状態になってしまった。おばちゃんどんだけやわなんだか。
初日に紹介して貰った仕事は一日中立ったまま、ひたすら小さい箱を組立てるだけの仕事だった。全然ハードじゃないけど、ただ立っている事が辛かった。座ってやれば楽な仕事なのに、なんでわざわざ立ってやるのだろう？凄く不思議だった。
寝たきり状態から復活し、また仕事を紹介して貰って数か所で働いた。どこへ行っても必ず怖いおばちゃんが一人はいた。最初っから突っかかってくる意味不明な人もいた。
（一通り説明が終わって）わかった？ちゃんと聞いてるの？
はい、○○して××ですよね。
ふん！わかってるならイイんだけどさっ！！
？？？ 一体なんなんだ？
随分前に図書館で借りて読んだ本。多分ね、これに載っている就業先も紹介された。迷った末に断ったのだけど、その後これを読んで、はぁー行かなくて良かったーと思ったよ。
ただ、この著者さんにもちょっと問題があるような気もしたけどね。読了後、たしかそのように感じたと思う。随分前だからうろ覚えだけど。
そんな就業先ばかりだったから、かなり疲弊してしまった。
5件目ぐらいに行ったところが1番ハードな仕事だったのだけど、一番感じのイイ職場であった。優しい方ばかりだったから仕事はハードだったがそんなに嫌ではなかった。
で、数ヵ月そこでお世話になった結果、おばちゃんのお腹に縦線が入りましたっ！実は去年の春ぐらいまではナイスボディーだったのでっす！！
ところがですよ！今は向きが変わり横線が入っちゃいました！
立ってるときは大丈夫。だけど座ると入っちゃいます。二段腹だよ。
折角ナイスボディーを手に入れたのに、そこでの仕事は長く続けることは出来なかった。やわなおばちゃんの身体は悲鳴を上げていた。肋骨にひびが入り、股関節と手首の痛みもあって、もう限界だった。そして継続不可能になり辞めてしまった。手首はまだ重いモノを持つとちょっとだけ痛むけど、肋骨のひびは自力で治した。ネットで調べて肋骨にひびが入っていることがわかったけど、病院へ行っても痛み止めの薬を処方されるだけらしいから行かなかった。痛みには慣れてるし、それに咳やくしゃみ、あと笑ったり重いものを持ったりしなければそれほど痛まない。2ヵ月ほど安静にしていたら治った。しかし、朝は辛かった。起き上がろうとするとものすごい激痛が走り起き上がるのに30分かかった。それと寝返りも辛かったな。
軽作業と言ってもさ、全然軽作業じゃないのよねw かなりの重労働だった。
でも、おばちゃんと同年代の女性が重い荷物を軽々持ち上げていたから、ちょっとショックだったな。それで動物性たんぱく質を意識して摂るようになったの。野菜ばかりだとやっぱり駄目なんだなーって。
ナイスボディーを手に入れて、お金だって貰えちゃう。ジムへ通うんだったら週一で肉体労働も悪くない。おばちゃんのようにやわでなければね。
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