去年のクリスマスイブ。ディナーはパンと小さなチキンとバナナで済ませる。
スーパーの飲食コーナーで。
おばちんの後ろを袋いっぱいに食材を詰め込んだ家族が、次から次へと通り過ぎた。
楽しそうに車に向かう家族の風景。
あの人たちにおばちんはどう映っているのかな？
かわいそうな人だな？
それとも浮かれていて、おばちんのことなど気にも留めずに、ただ通り過ぎていくのかな？
背を向けて座っているから表情は見えない。
隣には先客がいた。30くらいの女性がやはり一人でムシャムシャと肉を頬張っていた。辺りを気にする様子はなく、かと言って美味しそうに食べるでもなく、ただ空腹を満たすように無心に肉を食べていた。
彼女を見ていたら今日も1/365。いつもと何も変わらない1日に思えた。
半分はとうに過ぎた。あと5か月ちょっとで今年も終わるんだ。
イブまでに彼氏つくらなくゃとか、もちろん今更そんなことで焦ったりしないが、あまりにも時が早く流れて焦るおばちんです。
ヒグラシの鳴き声を聴くと過去がよみがえる。なんてことない過去だけど、そんなこともあったな、と思い出すのであった。
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